第2章:緻密な事業計画(計画編)
マインドが固まったら、次は「設計図」です。
情熱だけの「思いつき」を、持続可能な「事業」に変えるのが事業計画です。
この章で学ぶこと
- 事業計画書が「行動の羅針盤」である理由
- 筆者の資金調達の成功と困難のリアル
- 事業計画の骨子を作成する(WORK 2)
1. なぜ事業計画が必要か?
事業計画書は「銀行融資のため」だけにあるのではありません。それは、あなた自身の「行動の羅針盤」です。
マーケットリサーチ: 誰(ターゲット)の、どんな悩み(ニーズ)を解決するのか? 競合はいるか?
SWOT分析: あなたの「強み(S)・弱み(W)」と、市場の「機会(O)・脅威(T)」を整理する。
事業計画:「何を・誰に・いくらで・どうやって」提供し、「いくら稼ぐ」のかを具体的に計画します。
2.【筆者のリアル】「事業計画書」の現実
私はキャリアの中で、タイプの異なる2つの事業計画書を作成しました。
飲食店起業時(ゼロイチ)
出店エリアの商圏・競合店舗を徹底的にリサーチしました。「どの通りに、何時頃、どんな人が歩いているか」「競合店舗の客単価と客層は?」その結果をSWOT分析に落とし込み、「(強み)大手企業営業で培った企画提案力」×「(機会)当時黎明期だったネット販促」という戦略を立てました。
3.【筆者のリアル】資金調達の現実
困難: 自分なりに緻密な計画書を作成したという自負があっても、資金調達は困難を極めました。銀行・政府系金融機関は「飲食店経験がなく信用力がない」という理由で審査落ち。
解決: 最終的に、地元の信用金庫から、店長(腕利きの料理人)を保証人として融資を受けることができました。
結論: 私の場合は「緻密な事業計画書」と「店長(腕利きの料理人)」という二本柱で、何とか融資を受けることができたのです。
その他の事業資金は自分自身の預金と親戚からの借り入れで賄いました。創業時の資金調達は、その業種での経験と実績がないと本当に厳しいのが現実です。事業を行う上で、何かしらの「独自の強み」は必須です。
4. 必要な「独自の強み」
a) 売上の強み(攻め)
こちらはスキルや人脈、既に売上の見通しが立っているなどの強みがあるからこそ起業をお考えだと思いますので、この強みはさらにブラッシュアップしてください。(例:業界内で信頼関係を築いており、紹介やリピートが見込める、ECサイトやSNS、既存の販売ルートをすでに持っている、試作品やβ版サービスをすでに販売・提供して好評を得ている、など)
b) 経費の強み(守り)
売上はあくまでも見通しとなりますが、経費はある程度事前に把握できるため重要です。飲食店で言えば、3大経費として「家賃」「仕入れ(食材)」「人件費」が挙げられますが、この中で1つでも節減できる経費があると強いです。(例:自宅を利用するため家賃がゼロ、独自ルートで食材が安く手に入る、家族経営のため人件費が抑えられる、など)
5. 融資・補助金の相談先
これから融資を受ける場合、営業エリアや業種が限定されている「信用金庫」か、あるいは「日本政策金融公庫」が比較的受けやすいです。
融資制度や補助金制度については、後述する「商工会」「商工会議所」に相談することも有効な手段です。
6.【筆者のリアル】第二創業時(事業転換)
この時の融資申請の目的は、親の事業を引き継ぎ、全く新しい業態へ転換するための「設備投資」と「人材確保」が目的でした。
「なぜ今、この投資が必要なのか」「投資に対し、どれだけの売上・利益が見込めるのか(返済原資)」を、親会社との折衝内容(受注見込み)も踏まえながら具体的に示しました。
当時は、親の代から取引のある地元銀行との信頼関係に加え、地域で一定の知名度を持つ親会社からの案件で、すでに長期的な受注見込みも立っていました。その結果、銀行融資は問題なく承認され、後に過去最高売上・利益を実現する土台となりました。
7. 事業計画書の役割
事業計画書の役割とは、今後の「行動指針」であるのと同時に「実現可能な現実」をロジカルに示し、資金調達を含め、誰が見ても納得するような事業内容を示すものです。
8.【WORK 2】事業計画・骨子作成シート
ターゲット顧客
あなたの「ターゲット顧客」は誰ですか?(具体的に)
強みと弱み
あなたの「強み(スキル・経験)」と「弱み(資金・時間など)」は何ですか?
機会と脅威
あなたの事業の「機会(市場の追い風)」と「脅威(競合・規制など)」は何ですか?
売上計画
売上計画は具体的な数字に落とし込んでいますか?(例:飲食店の場合、1日の売上 = (客席数 × 客単価) × 回転数。経費も家賃、光熱費、人件費、仕入れ...と各項目をリスト化し、数字に落とし込む)
